
PwCが激務って本当!? PwCの年収,評判,強み・弱み,特徴,転職採用情報について元社員に迫る!!
ヒューマンデザイン研究所では、大手企業の実態について迫る調査を実施している。
今回のテーマは外資総合系コンサルティングファームのPwC(プライスウォーターハウスクーパース:PricewaterhouseCoopers)である。本記事は、元PwC社員計2名に対してヒアリングを行い、企業の実態調査を実施したものをまとめたものである。
PwC日本国内グループの中でコンサルティング業務を担うPwCコンサルティングは、戦略策定からITを活用した業務効率化等のオペレーションまで一貫したサービスを提供している。
近年では、企業規模の拡大が続いていることに加え、ブーズ・アンド・カンパニーやPRMT、マーバルパートナーズの買収により、M&Aや戦略面の強化を実施している。
また、デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、アーンスト・アンド・ヤング(EY)と並び、世界4大会計事務所・総合コンサルティングファーム(Big 4)の一角を占める。
PwCグループには下記の法人がある。
●PwCあらた有限責任監査法人
●PwC京都監査法人
●PwCコンサルティング合同会社
●PwCアドバイザリー合同会社
●PwC税理士法人
●PwC弁護士法人
●PwC総合研究所合同会社
●PwCサステナビリティ合同会社
●PwCビジネスアシュアランス合同会社
●PwCサイバーサービス合同会社
●PwCビジネスソリューション合同会社
●PwCアセットアドバイザリー合同会社
今回ヒアリングを行ったのはPwCコンサルティングの元社員である。個別にヒアリングを行ったため、個々の意見を箇条書きにしてまとめている。
PwCへの転職希望者や新卒の就職活動生に役立つ情報提供となれば幸いである。
■PwCの激務度・ワークライフバランス
●アサインされたプロジェクトとジョブマネージャーの思考によって大きく変わるので一概に言えない。19時に退社できるようなホワイトなプロジェクトもあれば、毎日23時帰り早期出社のブラックなプロジェクトも存在(このようなプロジェクトでは深夜と早朝のミーティングや資料のレビューは当たり前)。土日にも資料作成に追われることもある。
●クライアントの都合によって退社時間が左右されるため、基本的には平日に予定を入れることは難しい環境ともいえる。一方、プロジェクトのインターバル期間に有給を使いやすいため、メリットもあればデメリットもある働き方ともいえる。
●結果を出していれば発言権が認められ、権利を主張しやすいので実力がある人ほど早期に退社している印象。最近では、プロモーションの条件として、生産性が強く求められている(更に言えば、昇進のためには、プロジェクト運営だけでなく、プロジェクトのアウトプットに加えてどのような社内活動を行うかが重要となる点もPwCの特色といえるかもしれない)。
●個人として優秀であっても、チームメンバーに恵まれなければ、ワーク・ライフ・バランスは崩壊する可能性が高い。近年では、採用人数を急速に拡大していることもあり、人材の質が低下しているように感じる。これにより、生産性が低下し、結果として終電帰りが続くことも良くある。
●働き方改革に全社的に取り組んでいるが、コンサルティングというビジネスモデル上なかなか厳しいのが正直なところである。また、景気が良いことから案件数に対して人が足りない状況にあるため、有給についてもプロジェクトの合間に取得する余裕がなく、次を入れられてしまうケースも見受けられる。それでも、数年前と比べれば、ずいぶん改善されたように感じている。
●働き方改革の具体的な施策としては、サテライトオフィスや自宅でのリモートワークなどが挙げられる。今後の改革に期待したい。
■PwCの年収
●ジュニアクラスであれば、40時間分程度のみなし労働時間に相当する残業代が支給される。
●グレードは、①アソシエイト、②シニアアソシエイト、③マネージャー、④シニアマネージャー、⑤ディレクター、⑥パートナーと6段階に区分されている。この6区分の中で更に①Emergency 、②Proficient、③Advancedと3段階に区分される。
●グレード別のざっくりとした年収は、アソシエイト(A) 500〜650万円、シニアアソシエイト(SA)600〜800万円、マネージャー(M)800〜1,200万円、シニアマネージャー(SM)1,200~1,500万円、ディレクター(D)は噂では2,000万円前後。パートナークラスは不明。
■PwCの強み
●総合系のコンサルティングファームであり、幅広いサービスとインダストリーに対応している。特に、会計、IT・システム、PMOについては強みを持っている。
●国内においては、Big4の中ではデロイト(DTC)がリードしている雰囲気があるが、グローバルで見るとPwCのブランド力は強い。また、ブランド力だけでなく、グローバルなネットワークを有することから、世界中のナレッジを活用できる環境はありがたい。
●ブーズ・アンド・カンパニーを買収し、戦略部門(Strategy&)を保有していることが、他の会計系ファームに無い強みともいえる。
■PwCの弱み
●社員数が異常とも思えるくらい増加しており、人材の質が低下しているように感じる。売上は拡大しているが、売上高や社員数の規模が真の成長なのか疑問。景気が低迷し、従業員数が重みとなった場合に、どのように対応するのかも疑問。
●会計や戦略領域ではなく、システム領域に注力している点(ITコンサルタントが急増中)。システムはコモディティ化が進み、価格競争に陥る可能性が今後高く、SIerと同質化が進んでいるように感じている。PwCならではの提供価値が描けなくなってきているのではないかと考える。他の総合系コンサルティングファームやSIerとのサービスラインの差別化が急務。
●システム領域に注力しているが、将来的にはクラウドによる業務のコモディティ化と受注単価の減少が想定される。これに対し、どのように対応するかが重要となる。
■PwCを退職した理由
●長期のシステム開発のプロジェクトにアサインをされ、2~3年の間拘束されることが想定されたため。自分自身、システムやIT専門のコンサルタントになるために入社した訳でない。会社の進む方向性と自身が望むキャリアの方向性の乖離が主な退職理由といえる。
●ハードワークに疲れ果てたため退職を決意。働き方改革を進めているが、クライアントファーストは絶対であり、チームでどのように工夫してもプライベートを犠牲にし続ける必要があった。能力や専門知識がないため業務を外注しているクライアントの社員が毎日18時に退社している一方で、自分が毎日23時に退社している現実に疑問を感じ、それを解消できず退社することにした。コンサルティング業務には能力や知識が必須であるが、クライアントファーストを徹底でき、喜びを感じられる価値観も重要な要件だったと今更ながらに身をもって痛感している。
■逃げられない大リストラ時代の到来
日本の古き良き終身雇用制度は既に崩壊しました。以下に示す表は東洋経済が発表した「過去5年間で従業員を減らした企業ランキング」です。その中でも、ソニー、日立製作所、NEC、パナソニック、かつては定年まで安泰と信じられていた企業の代表格の東京電力がランクインしています。
企業名 | リストラ人員削減人数 |
---|---|
NEC(日本電気) | 42,413名 |
日立製作所 | 41,071名 |
ソニー | 30,400名 |
パナソニック | 20,461名 |
東京電力 | 6,662名 |
■いつか来る転職に備えて自分の市場価値を理解しておくことが安心に繋がる時代
長年に渡り業績に貢献してきたビジネスマンでも企業から簡単に切り捨てられる時代であり、30代、40代、50代と高齢になるほど転職市場価値は下がる一方です。最近では、特に転職する強い意志が無い場合でも自分の転職市場価値を知るため、保身の一環として数社の転職サービスを利用する人が増加しています。特に評判が高いサービスは、下記の四つです。
● リクナビNEXT
大手リクルートが運営する転職サービスです。公開求人数、利用者数が圧倒的に多いです。
他社サービスでは見つからない独自案件が非常に多いことで有名です。
大企業や外資系、地元優良企業など高年収の案件に強みがあります。
マイナビが運営する日本最大級の転職サイト。プロによる「転職悩み相談のサービス」が評判。
「あなた自身の幸せ」や「あなたの大切な家族の幸せ」を守れる人はあなたしかいないのです。常に自分の市場価値を把握すると同時に、どの程度の待遇の転職案件が世間には存在するのかということを常に把握しておくことが、これからの終身雇用が崩壊した現代では重要となってくるでしょう。
リストラに関する多様な話題や情報を随時更新しています。大企業に入社できれば明るい将来が保証されているという時代は終わりました。将来の経済動向を予測するための経済情報をお送りします。
資格は数え切れないほど存在しますが転職時に有利に作用するものは限られています。実績や経験も要求されることがほとんどです。読者のキャリアデザインの糧となる情報をお送りします。