キャリア

入社3年間以内は退職すると転職に不利?3年以内離職率・退職率も徹底調査!!

こんなフレーズを聞いたことはないだろうか?「会社に入社して3年間も務めることが出来ない奴なんて使い物になる人材であるはずがない」あるいは「入社してから3年間以内に退職するとキャリアに傷が付いてしまい、転職がしにくくなってしまう」

 なぜ3年間なのか?日本にはこんな古いことわざがある。「石の上にも三年」。この意味は、「冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくる。がまん強く辛抱すれば必ず成功することのたとえ。」である。

 つまり、今回の就職の件について言い換えれば、「どんなに人間関係が冷たく、労働時間が長く、ノルマに追われ過酷な職場でも、3年間勤めてしまえば仕事にも慣れ、人間関係にも恵まれ、何か得るものがきっとある」、きっとこんな感じなのだろう。

 しかし、どんなに自分に合っていないと感じる職場に3年間勤めれば本当に自分の求めているものが得られるのだろうか?それは論理性に欠けた根性論ではないだろうか?3年間以内の離職・退職率の実態はどうなっているのだろうか?本記事ではそれらを明らかにしていこう。

 以下に示すのは厚生労働省が作成した「新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況」に関する調査報告書だ。要点のみ引用し紹介しよう。

■新規学卒者の卒業後3年以内離職率

学歴別3年以内離職率

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【新規学卒者の卒業後3年以内離職率】
○ 大学 31.9%:前年比 0.4 ポイント減
○ 短大等 41.7%:同 0.2 ポイント増
○ 高校 40.9%:同 0.9 ポイント増
○ 中学 63.7%:同 1.6 ポイント減

「入社後の働きやすさ」を示す指標に「3年後離職率」というものがある。新卒入社者のうち3年以内に離職(退職)した人の割合のことであり、調査結果によると一番低い大卒者の3年後離職率は31.9%と「3年で3割が辞める」計算となっている。高卒者に関しては更に高く40.9%と「3年で4割が辞める」結果となっている。あなたの職場の状況と照らし合わせてみるとどうだろうか?

■事業所規模別卒業後3年以内離職率

新規大学卒業者の事業所規模別卒業3年後の離職率

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【事業所規模別卒業後3年以内離職率】
・1,000 人以上:23.6%
・500~999 人:29.2%
・100~499 人:31.9%
・30~99 人:38.6%
・5~29 人:49.9%
・5人未満:59.0%

上の図は企業の規模別の3年以内離職率である。企業規模は大きなものになるほど、つまり大企業であるほど3年以内の離職率は低くなる。このような背景には、福利厚生の充実や給与水準の安定、労働組合の有無等、多数の要員が関係している。

■新規大学卒業者の業界別卒業3年後の離職率

新規大学卒業者の産業別卒業3年後の離職率

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【業界別卒業後3年以内離職率のうち離職率の高い上位5産業】
①宿泊業・飲食サービス業 50.5%
②生活関連サービス業・娯楽業 47.9%
③教育・学習支援業 47.3%
④医療、福祉 38.4%
⑤小売業 51.4%

最後に示すのは、業界別の3年以内離職率である。恐ろしいことに、「宿泊業・飲食サービス業」の場合、3年以内に残る社員はたったの半分だ。相当過酷な労働環境なのだろう。そして一番離職率が低いのが「電気・ガス・熱配給・水道業」というインフラ業界だ。労働環境も安定しているため、離職率も低いのだろう。

 出典「厚生労働省-新規学卒者の離職状況」:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000140526.html

次に示すのは、新卒者が退職・離職する理ある。厳しい就職活動に耐え、内定を獲得し入社を実現したにも関わらず、退職という選択を選んでしまう行為の背景にはどのような退職理由が潜んでいるのだろうか? 

参考になる資料として、大手転職情報サイト「Vokers」が新卒入社者が三年以内に離職・退職した理由に関する調査結果がある。以下に結果の一部を引用しよう。

■新卒入社者の三年以内退職理由・離職理由ランキング

1位 キャリア成長が望めない 25.5%
2位 残業・拘束時間の長さ 24.4%
3位 仕事内容とのミスマッチ 19.8%
4位 待遇・福利厚生の悪さ 18.5%
5位 企業の方針や組織体制・社風などとのミスマッチ 14.0%
6位 休日の少なさ 10.0%
7位 人間関係 8.8%
8位 企業の将来性のなさ 8.3%
9位 評価、人事に対する不満 7.2%
10位 体力が持たない 6.7%
11位 体調を崩した 6.2%
12位 ワークライフバランスの難しさ 5.9%
13位 倫理観のなさ 2.6%


出典「Vokers-新卒者三年以内退職理由ランキング」:http://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_14

新卒入社者の三年以内退職理由・離職理由ランキングの堂々の一位に輝いた退職理由は、お金でも労働の過酷さでもなく、なんと「キャリア成長が望めない」というポジティブな理由となった第二位は予想通り、「残業・拘束時間の長さ」というネガティブな理由 

新入社員はキャリアデザイン志向が強く、転職市場価値を気にする傾向にあるという。どの会社でも通用するスキルの獲得を目指して転職を行っているのだろうか?40代以上の中堅層と比較して20代の転職市場は活性化している背景には、このような若者の強いキャリアデザイン思考があるのだろう。

■関連動画:「若者の雇用を考える」ゲスト・海老原嗣生氏

(入社3~4年で離職する若手は多く、「若者にこらえ性がないから」と批判する声もあるが、海老原氏は「全くの誤解」と指摘する。)

また、厚生労働省が上記の調査と同様に、三年以内に退職した新卒者の離職理由を調べた結果があるので参考として掲載しよう。

■初めて勤務した会社を退職した理由

1位 労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった
2位 人間関係がよくなかった
3位 仕事が自分に合わない
4位 賃金の条件がよくなかった
5位 会社に将来性がない
6位 ノルマが重すぎた
7位 結婚・子育てのため
8位 不安定な雇用環境が嫌だった
9位 健康上の理由
10位 自分の技能・能力が活かせなかった
11位 倒産・整理解雇または希望退職に応じるため
12位 雇用期間の満了・雇い止め
13位 一つの会社に長く勤務する気がなかった
14位 責任のある仕事を任されなかった
15位 家業を継いで手伝うため
16位 独立して事業を始めるため
17位 介護・看護のため

出典「厚生労働省「若年者雇用実態調査」」:http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/4-21c-jyakunenkoyou-h25_gaikyou.pdf

厚生労働省の結果では、ネガティブな理由が上位を占めていますね。労働時間・残業時間の長さ、人間関係、仕事の適正、給与水準等々、どれも自分の満足度以下の水準であれば非常に辛いものです。 

「3年以内の転職=逃げ」という不調は確かに日本にはまだまだ根強く残っていることは事実です。しかし、20代という若い年代の時間は非常に貴重です。周りの風潮に流され、ストレスと日々戦い、時間を無駄に捨てていく行為が本当に正しいのでしょうか?

 たしかに転職をせずに一つの会社を三年間は最低務めきるということは立派なことかもしれません。しかし、「辞めない勇気」よりも「辞める勇気」が時として合理的な選択となり成功を生む場合も多いものです。

経済成長が停滞し一つの会社に勤め切ることが幻想となった日本では、知人に相談するなり、転職サイトに登録するなりで、常に自分自身の転職市場価値を意識し、どのような求人情報が出ているのかを日々チェックし、機会を狙ってキャリアアップを目指す。このような行動が強く求められる世の中になっているのかもしれませんね

逃げられない大リストラ時代の到来

日本の古き良き終身雇用制度は既に崩壊しました。以下に示す表は東洋経済が発表した「過去5年間で従業員を減らした企業ランキング」です。その中でも、ソニー、日立製作所、NEC、パナソニック、かつては定年まで安泰と信じられていた企業の代表格の東京電力がランクインしています。

企業名リストラ人員削減人数
NEC(日本電気)42,413名
日立製作所41,071名
ソニー30,400名
パナソニック20,461名
東京電力
6,662名

■いつか来る転職に備えて自分の市場価値を理解しておくことが安心に繋がる時代

長年に渡り業績に貢献してきたビジネスマンでも企業から簡単に切り捨てられる時代であり、30代、40代、50代と高齢になるほど転職市場価値は下がる一方です。最近では、特に転職する強い意志が無い場合でも自分の転職市場価値を知るため、保身の一環として数社の転職サービスを利用する人が増加しています。特に評判が高いサービスは、下記の四つです。

 ● リクナビNEXT

大手リクルートが運営する転職サービスです。公開求人数、利用者数が圧倒的に多いです。

 ● JACリクルートメント

他社サービスでは見つからない独自案件が非常に多いことで有名です。

 ● キャリア転職サイト@type

大企業や外資系、地元優良企業など高年収の案件に強みがあります。

 ● マイナビエージェント

マイナビが運営する日本最大級の転職サイト。プロによる「転職悩み相談のサービス」が評判。

「あなた自身の幸せ」や「あなたの大切な家族の幸せ」を守れる人はあなたしかいないのです。常に自分の市場価値を把握すると同時に、どの程度の待遇の転職案件が世間には存在するのかということを常に把握しておくことが、これからの終身雇用が崩壊した現代では重要となってくるでしょう。

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